INTERVIEW
課題
言うは易く行うは難し
無意識バイアスを「実感」できないと変わらない
三井住友海上火災保険株式会社では、中期経営計画 Vision2021の重点課題として「多様な社員全員が成長し、活躍する会社の実現」を掲げ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
今ではダイバーシティ&インクルージョンが流行のようになっていて、言うのは簡単ですが、実際に何をやるのかが最も重要で難しい。当社では、まずは管理職から始めようと考え、ライン部・課長(部下を持つ部長、課長)にマネジメントにおける行動指針を示し、その一つに「バイアスへの対処」を挙げています。
この背景には、2013年に行った、総合職、一般職、という社員区分統合時のエピソードがあります。当時、「これから役割は一緒です」と言っても、これまでの経験の差異がありますから、管理職も本人も意識を変えるのが難しく、「どう対応したらいいの?」という戸惑いが見えました。
このように、多様な個が活躍することは皆が賛成ですが、具体的な行動に落とせなくては何も変わりません。そのためには行動指針と意識変革が重要ですし、根底にある「無意識バイアス」に対処する必要があるだろうと考えました。
ただ、「無意識」のバイアスですから、ほとんどの人は気づいていない。実感できないと行動に移せないですよね。「私は公平なマネジメントをしています」という人ほど、バイアスの影響を受けていたりします。
理屈でなく、バイアスを「実感」しないと成果は上がらないと考え、実際に取り組める課題を探していました。