INTERVIEW
課題
ダイバーシティ推進の意識は高まったが
「配慮」から女性の成長機会を奪っていた可能性も
ー ANGLEを導入する前の、御社の課題感をお教えいただけますか。
コニカミノルタジャパンは、オフィス機器や医療機器、センシングなどの営業を主にしている会社です。
当社では2020年に現社長(大須賀 健氏)が就任し、一気に女性活躍推進への意識が高まりました。
リモートワークの導入が進む世の中において、今までと同じようにオフィス機器が右肩上がりで伸びていくわけではなく、ビジネスとしてもブレークスルーが必要な状況です。少子高齢化も進み、労働人口も少なくなる中で、大きな変革を迫られているとも言えます。そうした中では多様な社員が交わることで新しい価値を生み出していく必要があり、その鍵になるのが女性活躍も含めた「ダイバーシティの推進」だと考えています。
当社の取り扱う商材がオフィス機器という重い器材であることもあり、以前は、営業は男性、事務仕事は女性を採用するのが典型的な採用方針でした。しかし、宅配便などの輸送手段やネット環境が整ったことも後押しして、2006年より女性を営業部員として採用するようになりました。
最初は、夜勤や休日出勤は「女の子にやらせるわけにはいかない」というような雰囲気もありました。女性の営業部員が産休明けで職場に復帰した際、営業を希望していたのにも関わらず内勤になってしまうということもありました。男性管理職の「きっと、そんなことはできないだろう」という配慮が、女性のやる気を削ぐこともあったかもしれません。
やはり「経験をさせないと人は育たない」と思うのですが、今振り返ると、「無意識のバイアス」と優しさの区別がついておらず、女性が経験する機会を奪ってきたというところがありました。そうすると、入社時に能力が高い女性がいても、30代になる頃には経験の差から男性に追いつかれてしまうわけです。そういうことに女性自身も気づけていないという問題点があったと感じています。