各層に合わせた施策①経営層および管理職層
ANGLE受講とワークショップで成長支援意識の醸成を目指す
―各層に対する打ち手の組み合わせで相乗効果を上げておられますが、その中でもアンコンシャス・バイアスに着目された背景をお聞かせください。
坂本様
ある年の新卒社員を調べたとき、入社時の男女比は同じくらいでした。ただ、その後の配属を追うと、女性社員は窓口とリテール、男性社員は貸付や法人営業が多いという結果が出ていました。配属に偏りが出ているということは、性別による役割分担の意識が顕在化しているのではないかと仮説を立て、係配置の裁量を持つ支店長の意識を変えるきっかけを得たいと考えたのです。
林田様
社員のキャリア・アップを考えたとき、横軸のキャリア幅も縦軸のキャリアも、どちらも育てていくためには、一番近くで育成に携わる人の意識をフラットにする必要があるという考えから、アンコンシャス・バイアスに着目しました。
ただ、大事にしたのは、各自がもつアンコンシャス・バイアス自体を否定しない研修にすることです。アンコンシャス・バイアスについて理解し、行動に活かしてほしいという思いはもちろんありましたが、「アンコンシャス・バイアスがあるからダメ、今後はなくしてください」ということではないという点に注意して進めました。
―ANGLE受講後に具体的に見えた成果などがありましたらお聞かせください
坂本様
内容を理解し、受け止めるだけでなく、普段のコミュニケーションに変化が出ていると感じます。「バイアスかもしれないけど」と言い添えながら対話を深める支店長も増えましたし、研修内容を共有する支店長もいたと聞いています。やはり受け身で学習するだけではなく、自らの手を動かす形で学ぶANGLE受講はインパクトがあったのだと思います。
林田様
例えば、私が会議の場に説明に行ったときに「実際、今、この場所にも女性は1人だけだね」とおっしゃる方がいました。いつもの風景に疑問を持つ機会というのも、少しずつ出てきていると実感しました。
※ANGLEは、アンコンシャス・バイアスを脳の認知の仕組みとして説明しています
各層に合わせた施策②非管理職の女性社員
エンパワメントとネットワーク構築でキャリア・アップの意識を高める
―チェンジウェーブグループでは、各対象にあわせたプログラムを組み合わせ、効果を上げやすくするご提案をしています。貴グループでは、アンコンシャス・バイアス学習だけでなく、女性社員向けのイベント「YMFG Women’s Day」もご提供させていただきました。その手応えはいかがでしょうか。
林田様
「YMFG Women’s Day」は、管理職ではない、一般社員の女性向けエンパワメント・セミナーでしたね。周囲に自分の強みを聞いて言語化したり、ライフキャリアをデザインしたりというワークに加えて、グループの役員や部長層とのラウンドテーブルも実施してもらいました。
以前は、キャリア・アップへの意欲を表に出す女性社員が少なかったように思うのですが、Women’s Dayを経て、予想以上にその枷がとれた印象です。キャリア・アップについての意欲が高まっている、もしくは内に秘めていた意欲が表に出てきているのを強く感じました。