”学びたい”という声が背中を押したーー動き出すきっかけは管理職
−ダイバーシティ推進の取り組みはどのように始められたのでしょうか?
山口様
ダイバーシティ推進には、まずトップの理解が何よりも大切です。
そこで、経営層向けに資料を作成して説明する機会を設けたり、社内イントラネットにニュースレターを掲載したりといった取り組みから始めました。
しかし、こうした手段だけでは社内への浸透は十分ではなく、「これでは足りない」と感じるようになりました。
私自身、それまでにダイバーシティについて自分なりに学んできたこともあり、その重要性を強く実感していました。会社として本気で取り組まなければ、将来的に立ち行かなくなるのではないかという危機感も持っていました。
ですから、多少コストをかけてでも推進する必要があると考え、ダイバーシティ関連の動画教材をイントラネットに掲載して視聴してもらうことや、社外の研修サービスの活用なども視野に入れ始めました。
ただ、忙しいマネジメント層にとっては、動画を見る時間を確保することさえ難しいのではないかという声もあり、研修や動画教材の導入には慎重な意見が出ていました。
−そうしたご状況下、「動く」きっかけとなったのは何でしたか?
山口様
そのような中で、管理職向けの勉強会でアンケートを実施したところ、「いろいろなことをもっと勉強したい」と考えている管理職が多くいることがわかったんです。
「時間が取れない」「関心がない」というのは思い込みで、実際には「学ぶ必要性を感じている」「時間があれば学びたい」と考えている方が多くいました。
このアンケート結果を受けて、具体的な施策の検討に入りました。そんな折、関西のテレビ番組でチェンジウェーブグループの「ANGLE」が紹介されているニュースを目にし、「これだ」と思ったんです。
簡単なテストでアンコンシャス・バイアスを可視化できるという内容で、「バイアスがある」ということがわかる、数字で表せる、ということを初めて知りました。
アンコンシャス・バイアスは「無意識」ですから、説明しても腹落ちしてもらえない、ピンとこない、ということがありますが、「見える化」されることで、受け手が納得しやすくなります。これは管理職にも伝わりやすいのではないかと考え、導入のご相談をさせていただきました。