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アンコンシャス・バイアスは企業にどんな影響を及ぼすのか ~59,000人 の調査から見るジェンダーバイアスと上司・部下のギャップ


目次[非表示]

  1. 1.調査結果サマリー
  2. 2.調査結果
  3. 3.まとめ


株式会社チェンジウェーブでは、業務付与・評価の適正化を阻害するアンコンシャス・バイアスを定量的に示し、企業の変革と多様性推進に資することを目的としてe-learningツール「ANGLE」導入企業社員58,934人のアンコンシャス・バイアス測定、調査を行いました。
今回は主に、性別(ジェンダー)バイアスが職場に与える影響について発表いたします。


アンコンシャス・バイアスは測定できる(ANGLEにて測定)

アンコンシャス・バイアスは測定できる(ANGLEにて測定)


調査結果サマリー

  1. 性別バイアスは属性に関わらず存在する

  2. 一般社員(非管理職)では女性の方が性別バイアスが強い人の割合が高い

  3. 「子育て中の部下に海外出張を打診するか」という設問に性別で差をつけた管理職は23%

  4. 管理職の性別バイアスは、女性への過配慮による成長機会逸失や男性への過度な期待・負担につながる可能性があり、多様な人材のマネジメントに悪影響を及ぼす

  5. 管理職の「配慮」には性別バイアスが影響している可能性があり、部下との間には認識のギャップが見られる


調査結果

性別バイアスは属性に関わらず強く存在し、
一般社員(非管理職)では女性の方が性別バイアスが強い人の割合が高い


※本調査では、アンコンシャス・バイアス測定テスト・IAT( Implicit Association Test)を使用した。
※±0.65~が「性別バイアスが強い」とされる。

アンコンシャス・バイアス測定テスト・IAT( Implicit Association Test)結果サマリ

出典:ANGLE (管理職 男性27,895名、女性2,292名/非管理職17,064名、女性10,689名)


全体では約8割の人に「男性=仕事、女性=家庭」という性別バイアスが見られた。 
非管理職では「女性=家庭」の性別バイアスが強い人が男性で32%、女性で38%となり、女性の方が性別バイアスを強く持っている人の割合が高い



具体的な業務を検討する際に性別で差をつけた管理職は23%。
子育て中の女性に対する海外出張打診については半数近くが「迷う」と回答した。


Q 1歳の子どもがいる部下に海外出張を打診しますか?

Q 1歳の子どもがいる部下に海外出張を打診しますか?

出典:ANGLE管理職版受講者回答(n=30,562)


男性への打診は68%がYesと答えたのに対し、女性に対しては45%に留まり、23%の差が出ました。
女性部下への打診を「迷う」とした管理職は46%にのぼり、海外出張を「打診する=意向を確認する」段階でさえ、管理職の性別バイアスが影響することを表しています。


Q.  1歳の子どもがいる同僚が海外出張を打診されました。あなたはどう思いますか?

Q.  1歳の子どもがいる同僚が海外出張を打診されました。あなたはどう思いますか?

出典:ANGLE一般社員版受講者回答(n=28,372)


一般社員(非管理職)でも、1歳の子どもがいる同僚が海外出張を打診された場合、
それが男性への打診であれば43%が「違和感はない」と回答していますが、女性に対しては38%と、対象者の属性によって回答に差が出ました。女性に対しては「行かない方が良いと思う」と回答した人も17%います。



管理職が「配慮」だと思う言動には性別バイアスが影響している可能性があり、
部下との間には認識のギャップが見られる。
女性に対しては過配慮による成長機会の逸失、男性に対しては過剰な期待・負担がかかる可能性もある。


Q.女性に厳しいフィードバックをするのは躊躇する/可哀想だと思う

Q.女性に厳しいフィードバックをするのは躊躇する/可哀想だと思う

出典:ANGLE(管理職30,028名 非管理職27,796名)



Q.「自信がない」という女性には過度な負担をかけないよう配慮する/配慮したほうがいい

Q.「自信がない」という女性には過度な負担をかけないよう配慮する/配慮したほうがいい

出典:ANGLE(管理職30,028名 非管理職27,796名)



「女性に厳しいフィードバックをするのは若干の躊躇を感じる」と回答した管理職は49%であるのに対し、「可哀想だと思う」と回答した非管理職は31%と、18ポイントの差があります。
また、「自信がないという女性には過度な負担をかけないよう配慮する」とした管理職は57%ですが、「配慮したほうがいい」とした非管理職は37%と、20ポイントの差があります。

女性へのフィードバックや成長機会に対して管理職と非管理職との認識に差が見られると同時に、「女性には」配慮すべき、と感じている管理職が半数以上にのぼります。
一方で「男性=リーダー」というアンコンシャス・バイアスも見られます。


Q.リーダーシップを取りたがらない男性について、ふがいないと感じたことがある

Q.リーダーシップを取りたがらない男性について、ふがいないと感じたことがある

出典:ANGLE(管理職30,028名 非管理職27,796名)


このほか、一般社員(非管理職)の回答からは、いまだに残る性別役割分担意識が見えてきました。


Q.職種の違いを問わず、お客様へのお茶出しや土産物配りなどは
若手の女性がやるべきだろうという空気がある

Q.職種の違いを問わず、お客様へのお茶出しや土産物配りなどは若手の女性がやるべきだろうという空気がある

出典:ANGLE一般社員版受講者回答(n=27,796)


まとめ

企業における多様性推進は広がりを見せ、総論ではほぼ全員が「家庭と仕事の両立は歓迎すべき」と答え「今や、属性による差は生じていない」と考えています
しかし、本調査からは、具体的な業務付与や登用について「属性による差」が生まれる可能性があることが明らかになりました。
例えば、管理職が「子育て中の女性への配慮」だと考えたことが、成長機会を失う「リスク」にもなり得る一方、「男性=仕事」「男性=リーダー」という性別バイアスが多様な働き方を阻み、男性部下の家事・育児経験や育休取得機会を奪う可能性もあります。

多様な人材が働く職場においては、管理職、非管理職双方に「こういう人にはこの業務はできない」「こうした働き方でないと評価されない」などの思い込み、決めつけがないかを再確認し、対処することが必要となります。

チェンジウェーブでは、アンコンシャス・バイアスを「自分ごと」にし、行動変化につなげるラーニングツール「ANGLE」をご提供すると共に、組織課題の可視化やバイアス対処の具体的施策まで、様々なご支援を行っています。





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