
管理職2.0時代の実践 ー全員活躍チームをつくるマネジメント変革
はじめに
いま企業変革のカギを握るのは、管理職の変化です。
確かに若手社員が管理職を敬遠している、という声は多く伺います。しかし、問題は、どうすれば現場で管理職の意識と行動を変革できるか、です。
2025年7月に開催された「働き方改革時代の人事戦略カンファレンス」では、当社代表取締役社長CEO・佐々木裕子が「管理職2.0時代の実践――全員活躍チームをつくるマネジメント変革」をテーマに講演しました。
本稿では、この講演をもとに、マネジメント変革のヒントとそのきっかけ作りについてお伝えします。
株式会社チェンジウェーブグループ
代表取締役社長CEO
佐々木 裕子
“昇進したくない” 若手の本音
当社が25~34歳のビジネスパーソン(一般・主任層、従業員規模500名以上の企業に勤務)を対象に行った調査では、30代前半女性の52%、30代前半男性の35%が「課長以上の管理職になりたくない」と回答しました。
理由として、女性では「責任の重さ」「ワークライフバランスの悪化」が多く挙げられ、男性では「労働時間・業務量の増加」「待遇や評価が見合わない」といった声が多く見られます。
しかし一方で、「目指したい上司がいる」と答えた社員(全体の37%)は、昇進意欲・挑戦意欲・エンゲージメントがいずれも高いという結果も得られました。
求められるのは、部下の力を引き出し、成果を上げるマネジメント。長時間労働や支配的な指導スタイルは、支持を得にくくなっています。
部下の挑戦意欲を高める “6つの行動”
部下の自律性、挑戦意欲、エンゲージメントを高める管理職の言動を分析すると、以下の2つに高い相関が見られました。
・「問いかけ」「聴く」「受け止める」姿勢がある
・人間性への敬意・信頼ベースの関係性づくりができる
さらに、具体的な行動特性で言うと
・異なる価値観や背景を持つメンバーを受け入れ、活かす姿勢がある
・新しいやり方や小さな実験的取り組みを推奨している
・小さなミスや失敗に対して建設的にフォローしている
・教えるだけでなく、部下に考えさせる
・説得力のある言葉を使い、自分の言葉で語る
・常に学び続けている
土台にあるアンコンシャス・バイアスへの対処とインクルーシブ・リーダーシップが、今、マネジメントには必要とされているのではないかと思います。
管理職の行動をどう進化させるのか
~人事部門が後押しできる “きっかけ”
「頭では分かっていても行動に移せない」
―多くの管理職が感じる壁を、どのようにサポートするのか。これ以上、管理職の負担を上げたくない、という心情もあります。
例えば
・当事者本人が自ら考える「きっかけ」、行動する「きっかけ」をつくる
・「なるほど」→「やってみる」を組み合わせた機会・場づくり
・ピアプレッシャー(仲間・周囲からの刺激)を効果的に組み込む
・薄くても一定期間は「接点頻度」を保つ
・小さな実験による「想定以上の成功体験」を、短期間で作る
すべてを大きく変えなくても、小さな一歩から組織は動きます。
ただ、「ここから始めればインパクトが出せる」という場所・やり方は企業によって異なります。
変革屋として培った仕掛けをもとに、ご一緒に取り組めたら、と考えています。
■講演アーカイブのご案内
チェンジウェーブグループでは、この秋、管理職の変革を促す新しいプログラムをご提供予定です。講演アーカイブでは、より詳しい調査データを交えて具体的アクションを解説しています。
ぜひご覧ください。
➤講演動画アーカイブ(期間限定配信)はこちら
https://angle.changewave.co.jp/seminar/special25
※講演の詳細はアーカイブ動画でご覧いただけます。
【お問い合わせ】
株式会社チェンジウェーブグループ
変革ソリューション本部 変革DEI事業部
https://changewave-g.com/contact/dei/